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畜産農家に飼料を卸す
「髙橋正一商店」が前身。
髙橋:タックジャパンは、私たちの祖父が昭和26年に創業した「髙橋正一商店」という会社からスタートし、雑穀などを取り扱っていましたが、地元の畜産農家さんに餌を卸す飼料販売を始め、そこから「餌を卸すだけじゃなくて畜産家の生産物も取り扱おう」と養鶏場から出てきた卵を引き取って、それを洗って、サイズ別に分けて、パック詰めして、地元のスーパーさんに販売するっていう、卵の販売事業をやるようになりました。
そのうちにお客さんから「鶏糞の処理に困っている」と相談をいただいて、「ホームセンターに肥料として提案してみよう」と肥料販売がスタートしました。
そこからホームセンターへの鶏糞肥料販売が増えていくことで飼料販売にも良い影響があり、今では日本全国にお客さんが広がっていきました。
最近は農家さんにも直接販売したり、ベトナムへの輸出も始め、お客さんに鶏糞のことで心配させないよう、年間を通じて安定的に引き取れるようにしています。
最初は畜産農家がお客さんでしたけど、鶏糞を販売することで、農家もお客さんになってきた訳です。
最初は養鶏場で出てきた鶏糞を、そのまま当社が流通させるだけでしたが、あくまで養鶏場が出荷しやすいためだけのもので「農家さんが使いやすいとかどうとか」というのは、一切考えていませんでした。しかし、農家さんが欲しい肥料とのミスマッチがあったので「もっと高度化した鶏糞肥料をつくろう」となり、立命館大学との接点から久保幹教授の力をお借りして研究開発を進めています。まだ商品化には至っていませんが、もっと農家さんに貢献していきたいと思っています。
フェイガーさんとの業務提携の話も「補助金ではなく企業からお金が出て、農家さんの収益になるし、元手も全くかからない」ということなので「必ず農家さんの収益改善になるという話なら、やってみようか」となりました。当社には利益的なメリットは少ないんですけれど、農家さんにとってためになる提案をすることで、農家さんとの接点ができる。農家さんも収益が増えるし、当社のビジネスにも良い影響が生まれると思って進めています。
田中:解りやすく説明していただき、ありがとうございます。中国とも取引があるんですよね。
髙橋:そうですね。中国は、今、何社かのメーカーとの取引がありますけど、最初は養鶏場で使うケージシステム、つまりニワトリを入れる籠のようなものですね。それを「中国から輸入したい」というお客さんがいらっしゃって「では、うちが輸入しましょう」ということで、中国で一番大きな養鶏設備をつくっている会社から輸入して、日本で販売していったというのが始まりです。今は豚の人工授精用カテーテルは、たぶん、うちが一番たくさん販売していると思います。あとペレットマシンといって鶏糞だけじゃなく、畜糞、肥料をペレット化する機械も中国から輸入販売しています。
SOFIX分析技術を活用した
有機肥料の共同実証が転機に。
田中:今は日本でもスマート農業やアグリテック等が社会的課題の解決策として注目されています。タックジャパンが新しいビジネスモデルに取り組み始めたのは何がきっかけでしたか?
髙橋:やはり立命館大学さんとの連携が大きな転機だったと思います。高度化した鶏糞の有機肥料をつくろうと思っても、なんのエビデンスもなくては話にならない。立命館大学さんのような、大きな大学の先生のお墨付き(エビデンス)があるというのはやはり大きかったと思います。
磯貝:私もちょうど異業種から転職したばかりでしたが、やはり科学的な根拠のある肥料を展開していくべきだと思い、立命館大学さんや静岡大学さんとも連携しながら、色んな話を進めているところです。ユーザーの方が情報を知らないこともあって、そこにやっぱりメスを入れて、本当にいいものを提供していくっていうことが大事だと思っています。
田中:まさにそれこそが社会的な課題の解決だと思いますが、御社のビジネスモデルが社会的課題の解決に自然な形で関わっていくようになったのをお感じになられて、社員の方々の意識を変えていくのは難しいと感じることもあったのでは?
髙橋:今でも、多少なりともありますね(笑)。
フェイガーさんから「(農業由来の)カーボンクレジットがありますよ」ってニュースリリースが出たときに、彼(磯貝室長)はそれを見てすぐさま、「明日、フェイガーさんに行って話してくる」と(笑)。そのときは私でさえ「カーボンクレジットって何?」って感じで(笑)。
今でこそ、少しずつ他の社員も理解するようになりましたが、それでもまだ温度差みたいなものはありますね。
田中:異業種からの入社は、磯貝様が初めてですか?
髙橋:いえ。異業種から入社した社員はたくさんいますが、異業種と組んでビジネスをしていくっていうことは、これまであまり無かったものですから。「それってうちがやるべきことなの?」という抵抗感のようなものはあったと思います。
田中:しかし、タックジャパンはこの業界のリーダー的な役割も担われていると思いますし、「自分たちで新しいマーケットを創っていく」というような使命感も社員の方は持たれていると思うので、最初は戸惑いながらも、カーボンニュートラルやアグリテックなどの時代の潮流にも目を向け、新しいことも採り入れていこうとされているかと。
髙橋:そうですね。
田中:“社会課題を解決する”というビジネスモデルに対し、「自分たちがいかに役に立てるか」というところに(一人一人の意識が)変わっていくというような。
髙橋:そうですね。「社会課題の解決」はもちろん大事ですし、「持続可能な○○」も非常に大事なんですけれど、当社自体も変わらないといけない時期が来ています。例えば主業である飼料販売においても畜産農家の数っていうのがすごい勢いで減少しています。鶏も豚も牛もですが、農家の数が減り、1軒あたりの規模が拡大しているのですが、軒数が減ると卸し業は、より存在価値を考えていかねばならないのです。
鶏糞を中心とした畜糞堆肥の取扱いや輸出業などもやりましたが、新しい収益の柱を作っていかねばならないと思います。
田中:この数年、順調に売上を伸ばし、どんどん会社が大きくなっていく中で、さらにトランスフォームしていくための方向性を考えておられると思いますが、体力があるうちに色んなことを仕掛けていくということもありますか。
髙橋:当社は売上の大半を「餌の販売」が占めていますが、餌の価格は穀物相場であり、為替で大きく変動するんですね。だから、あまり売上は重視しておらず、利益を重視しているのですが、まだまだ心細い状態です。
田中:もちろん昔から貴社のことは知っていましたが、正直言ってフェイガーさんと協働の記事には驚きました。しかし、あまり大きなイニシャルコストもかからずに、お互いに手掛けやすくて良い連携ですよね。しかもそれによって農家の方々に心の豊かさだけじゃなくて、いわゆる収益にも寄与するという、理想的なトライアングルができてくれば、まさに持続可能な農業への貢献となりますね。
髙橋:立命館大学さんとの縁は、久保幹教授が“SOFIX”という技術を使った新しい肥料を作ろうとされていて、取引先からお声がけ頂き、当社が良い鶏糞を供給してくれる先として声が掛かったんですよね。あと、その後も久保先生が土壌分析技術を使ったSOFIX農法を広めていきたいという中で、NTT西日本さん、シン・エナジーさん、ナガセケムテックスさん、立命館大学さんとともにコンソーシアムを作りました。その動きの中でも磯貝くんが中心となってSOFIXパウダー(肥料)を量産するための工場を見つけようと、さまざまな肥料メーカーを訪問した中で、大阪の大協肥糧さんっていう会社とも縁ができ、そこがユーグレナさんの子会社だった。
田中:なるほど。そこで接点ができたわけですね。
髙橋:ええ。最初の頃はユーグレナさんでも、エネルギーや化粧品などの製品を作る中で、残渣が出るので、それを餌や肥料に転化できないかという話をしていましたが、ある時、ユーグレナさんから「今度、農研機構から鶏糞と化成肥料を混合させた混合堆肥肥料(ペレット肥料)を作って、それを広域流通させる委託事業を始めるので参加してほしい」と声がかかり、来年2026年3月までの3年間の事業に取り組んでいます。当社としても、鶏糞の高度化・付加価値化につながり、さらに知見も得られるということで非常に大きなメリットがあります。しかし、こうしてユーグレナさんから声がかかったのも、子会社との接点がきっかけとはいえ、立命館大学さんやNTT西日本さんらとのSOFIXコンソーシアムに入っていなければ、知名度やブランドといった点で難しかったと思います。
田中:SOFIXコンソーシアムは、今後どのような展開を考えていますか?
髙橋:株式会社SOFIXから「SOFIXパウダー」という肥料と「SOFIX標準土壌」の販売を計画しています。肥料の方は大手ホームセンターから、まずは西日本エリアでの販売を開始し、将来的には全国展開も視野に入れています。
田中:それはすごいことですね。磯貝室長がアグレッシブに動いてきたことが、信じられないような成果につながった訳ですね。
農家が収益改善できれば、
必ずうちのプラスになる。
髙橋:磯貝くんには今、事業開発室長をやってもらっていますが、最初は「うちのような規模で事業開発なんて必要なのか?」という声もありましたけど、どうしてもやりたかったのです。彼は新しい業界や商材を見つけ、接点を作るのが非常に得意です。そうやって見つけてきたネタを各事業部に落とし込んでほしいと思っています。
田中:実は私も異業種から転職した口ですが、磯貝さんも全然違う畜農産業界にこられて、戸惑いはありませんでしたか。
磯貝:もちろん最初は軽いカルチャーショックのようなものもありましたが、わりと早い時期から髙橋専務には一緒に立命館大学さんに行っていただきましたし、私たちのお客さんは畜産農家さんや米・野菜・果樹農家などの耕種農家さんですが、そこが儲からない限りは私たちの仕事も手詰まりになっていきます。まずはお客さまが儲かるような提案をすれば最終的にはうちに返ってくるという発想でやっているので、これはきれい事でもなんでもなくて、農家さんの収益改善につながるような提案をやり続ければ、必ずうちにはプラスになるっていうところを、よく理解してくれています。
髙橋専務は僕が動くことに対して、まずノーと言わないという、、言ってみれば大きな後ろ盾になってくれたので、最初の1年は色々と苦労もしましたけれども、そこからは本当にやりやすくなって、運よくメディアでも取り上げていただいたりして、徐々にまわりの方も認めてくれたというか、非常に良い循環でここまで来ていると思います。
田中:まさかタックジャパンさんのビジネスが、カーボンニュートラルにも広がるとは。
髙橋:まったく思いもよらなかったです(笑)。
田中:ニュースリリースをみて驚いたのは事実ですが、気候変動問題に取り組んだり、推進していくのってすごく大変だと思いましたので、どういう背景があったのか気になっていました。良い方とのご縁があった訳ですね。
髙橋:やっぱり、彼がうちを選んでくれたのが幸運でした。最初は「磯貝さんが勝手にやっていること」と思っていた社員たちも、自分のお客様の農家さんに、カーボンクレジットの説明や新しい肥料のアンケートに動くようになってくれました。
磯貝:今はどの業界もですけど、農家さんは常に人手不足という問題があって、東京の大手人材サービス会社とも、これから連携していくことを計画しています。
田中:アグリ関係は今、全国的にもすごく注目されていて、特に若い人たちが注目し始めています。まだまだ少数派かもしれませんが、アグリテックの共同体とかも出てきて、国も注目しているし、そこにカーボンの話も出てくるし、今までと全く違うプレーヤーが入ってきているというのは確かにあると思いますね。
別に会社を大きくするだけが重要ではないけど、それこそ歴史のある企業であり、これからどんどん後世に残していくという視点の中でも、社員のモチベーションにもつながっていって、ゆくゆくは新しい、全く今までにないタイプの人材を獲得できる可能性もあるんですよね。
髙橋:たまたまこうした記事をホームページにも載せたり、「私たちは農畜産業のメッセンジャー ~人と食と地球をつなぐ~」というパーパスも。ホームページを作り直したのも、もちろんお客さん向けの意味もあるけれど、新しくうちの会社に興味を持ってくれた人にも「こんなことを、こんな思いでやっているよ」というのを伝えたいと思っています。
田中:パーパスを考えたきっかけは、なんだったんですか。
髙橋:前までは毎年、来期の予算を立てて、数字だけの目標を立てていました。言葉の目標はほぼなくて「これじゃ駄目なんだ」と気づきました。やはり長く会社をやっていくには「うちはどこの土俵で商売していくんだ?どこに貢献していくんだ?」というところが大事だと。あとは「長期目線で物事を考えていかないといけないのでは?」という議論があって、このパーパスを決めたというところです。
飼料と肥料というところで「農業と畜産をつないでいく」という夢を込めてですね。それと「子供たちに“地の食べ物”とかを未来につないでいきたいな」というところもあります。
田中:「メッセンジャー」って言葉はいいですね。
髙橋:これも磯貝くんが作ったんですけどね。
田中:今の時代だからこそ本当に大事です。ソニーさんもパーパスを変えられて、ようやく浸透するところに入られていると思いますし、いろんな企業が、古き良き時代につくったものを尊重しつつ、今までの経営理念をリファインしたりしています。
髙橋:もう何年かになりますけど「会社を未来化させよう」という意味合いで「ミライカ」って会議をやっています。若手の経営幹部やリーダーを入れて、会社を良くしていくための会議をやっている中で、こういったパーパスを決めたり、この発想力×行動力×情熱力という行動方針を考えたり。
田中:でもこのパーパスは本当にすごくシンプルでいいと思います。「~人と食と地球をつなぐ~」って、結局、農畜産業界は課題も多いけど、チャンスでもありますよね。
磯貝:おっしゃるとおりですね。
これからは農家と企業を
いかにつなげるか。
田中:要は自分たちの相対している方々が農家さんだっていうところから着想していって、こういうところにつなげていくっていうのは当然ありますよね。
磯貝:基本的に今、我々が取り組んでいるのは、いわゆる水稲農家さんに対して、中干し期間の延長によるカーボンクレジット創出を提案しています。日本は水稲の耕作面積が50%を超える国ですが、後継者問題をはじめ、米価もなかなか厳しい状況です。それに対して何か収益改善につなげられるような施策はないかと思っていたところに、このカーボンクレジットの仕組みを知りました。
「中干し」は、基本的には農家の皆さんがすでに取り組んでいる農法なんですけど。水を抜いた状態を過去2年の平均中干し期間から1週間延ばすだけでよくて、初期投資なしで手続き上の負担感も少ない形でお金が入ってきますと。
それも税金・補助金事業などではなく、企業側からのお金が入ってくるっていうので、もともと、今も私は思っているんですけど、やっぱりこれからは農家さんと企業さんをいかにつなげるか。企業さんに就農家をスポンサードしていただくスキームが大事になってくると考えています。
先ほど“三方良し”という言葉が出ましたけど、企業さんにとってはお金で買う形にはなるんですけど、CO2削減につながるし、農家さんへの収入があり、メタンガスが減るということで、国も推奨する温室効果ガス排出削減の推進につながります。
私たちの狙いは既存顧客の農家さんには収益貢献ができますし、今まで当社と接点がなかった新しい農家さんも「こういうことをやっている会社と付き合いたいね」と言っていただけることを願っています。中干しクレジットの調達も、去年は100ヘクタールでしたが。今年は1,000ヘクタールを超えています。
田中:すごい勢いで増えましたよね。
磯貝:はい。10倍強ということで、これはもう狙いどおりなんですね。ここで接点を持った農家さんに対して、我々が今、持っている肥料などの農業資材を提供し、事業を発展させたいという、そんな思いで進めていますね。
田中:やはり、農家さんへの説明、交渉が一番難しいんですか。
磯貝:その通りです。やはりこれ横文字ですし(笑)、「CO2削減や気候変動と言われても訳が分からん」と言われ、基本的にご賛同いただけるのは、やっぱり若い方が多いですね。ただ、そういう若くてアグレッシブな方は「すごく面白いよね」ということで積極的に取り組んでいただいて、お知り合いにも紹介いただいたり。あとは昨年末からメディアでも取り上げていただくようになって、いわゆる社会的認知度も上がったこともあり、記事を見ての問い合わせいただくことが増え、私も埼玉県川島町まで説明会に行きました。
田中:これって、やり方次第では全国的にも広げられますよね。
磯貝:ただ、われわれもマンパワーが限られていますので、難しいところもありますが。
田中:それはそれで、またどこかと一緒に組んでいくとか、色んなやり方を考えられると思いますが。
磯貝:農家さんにしてみれば金銭的な面ではノーリスクですが「中干し期間を1週間延ばすことでちょっと収量や品質に影響が出てくるかもしれないので、そこは各自でご判断ください」ということは伝えています。それと、カーボンクレジットって、日本は後れていますが、世界的にはどんどん伸びていますので、少なくとも2030年まではクレジットの価格も右肩上がりでいくと予想しています。
田中:問題もいろいろあるとは思いますけど。政府なんかも、ここにはやはり当然、着目していますよね。GX(グリーン・トランスフォーメーション)においては欠かせないところだと思うので、良いチェーンが生まれ、いわゆる根っこ(根本的な)のところからのカーボンニュートラルの普及・啓発にもなる一つの先進モデルケースになるかと。
磯貝:そうですよね。あとは今の日本の農作物も、今、輸出もしなきゃいけないっていう話も出ていると思うんですけど、特にEUなんかに輸出しようとすると、やはり、その「環境(に良い農法・有機農法)」っていうところが必要になってきますんで、そういった意味も含めて、将来的にはすごくつながるような気がします。
田中:はい、その通りで、欧州はすでに自動車が規制されて、大変なことになっていますからね。企業側もスコープ3の開示要請っていうのが出てきて、そこをビジネスサイクルで回さないとそもそも駄目ですよって。で、バリューチェーンとか、サプライチェーンも結局そうやらないと、上場、非上場かかわらず、そういうところと取引をしないっていうような話。カーボンニュートラルの要請をどう考えているかって、アンケート調査などもされてきている。ある程度の指針を中小企業が、非上場でも見せていかないと、お互い、サプライチェーンとしても認められないっていうところがあるので、必須要請みたいな感じになってきていますよね。
あとはタックジャパンさんでいくと、生物多様性のところの。
磯貝:生物多様性、そうですね。
田中:そこのビジネスモデルで、これからより注目されるっていうところになっていくのかなと思うので、すごく可能性を感じましたし、今の1年で問い合わせがくるのもすごい。
髙橋:フェイガーさんとお付き合いしたことで、今は水稲の中干し期間の延長っていうところをクレジット化するっていう、それしかやってないところなんですけど、まだこれからどんどんメニュー広がっていくんですよね。だから、農耕だけじゃなくて畜産でもそういったメニューって出てくる予定らしいんですね。だから、そこら辺をいち早く、うちの顧客だとか畜産の業界にも紹介できると、畜産農家にもメリットが出てくると思います。今後たぶん出てきそうなのが、畜糞の処理の方法によっては、クレジット認証されるという話です。
田中:やはりネットワークを広げるというのは、ビジネスにとってすごい大事な部分なので、これからも磯貝室長の活躍に期待したいです。しかし、僕は本当に何よりもすごいなと思ったのが(お客様である)農家の人たちに、ちゃんとリターンが入ってくるというのが良くて、やっぱり大きな話ですから。そこがないとなかなか普及できないですもんね。
磯貝:そうなんですよ。
田中:すごくいい着眼点でしたね。
磯貝:全ては会社が「いいよ」と言ってくれたんで、本当にありがたいなと思ってます。
田中:貴社のビジネスの“次の柱”と仰っていましたが、その可能性も十分にあると思います。カーボンニュートラルは、本当に日本ではあまり進んでいないので。とにかく今回のようなビジネスモデルは国が推進している施策の一つでもあるので、そこでしっかりキャッチアップされて、そこに御社のビジネスモデルをどうアジャストさせていくかっていうようなところをすごく考えられた、一環だと思いますので、すごく期待もしています。
TOPIC
「SOFIXパウダー」を店舗販売。
2022年10月、タックジャパンは立命館大学、NTT西日本グループなどとの産学連携で、SOFIX分析技術を活用した有機肥料の共同実証を開始。化学肥料を低減する地域資源循環システムを構築するなど、滋賀県で持続可能な有機農業を実現しようという試みで、タックジャパンは養鶏農家の鶏糞を回収・販売してきた実績から参画することになった。
この取り組みは、2023年3月には地域資源循環型有機肥料「SOFIXパウダー」としてインターネットで実証販売するフェーズになっており、2024年末には大手ホームセンターでの店舗販売も決定。タックジャパンではこの共同実証への参画、とりわけ立命館大学の久保幹教授との出会いが、農家、消費者、自然の三方よしを進めるパーパス経営のきっかけとなり、持続可能な農と食を実現する農畜産業のメッセンジャーとして役割を果たしている。
詳しくは、タックジャパン プレスリリースをご確認ください。
https://tacjapan.co.jp/press/post-5693/
Company PROFILE
企業名(団体名) | 株式会社タックジャパン |
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代表者名 | 代表取締役 髙橋 伸輔 |
所在地 | 【本社】 〒503-0002 岐阜県大垣市開発町5丁目71番地の1 |