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Interview
SDGsの先駆者に訊く

Re:toucher 45
これからの地域をつくる
子どもの未来を
今の地域をつくる企業が
創造する。

NPO法人 未来へのみち(岐阜県岐阜市)

理事長 岩田 良さん
    船戸 梨恵さん
インタビュアー Re:touchエグゼクティブプロデューサー 田中 信康
アシスタントディレクター 野々田 美笛
SDGsターゲット
  • 01 貧困をなくそう
  • 03 すべての人に健康と福祉を
  • 04 質の高い教育をみんなに
  • 05 ジェンダー平等を実現しよう
  • 08 働きがいも経済成長も
  • 09 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 16 平和と公正をすべての人に
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
少子高齢化によって、今後急速に人手不足が進むことが予想される日本。なかでも地方地域である岐阜では、すでにその波を痛感し始めている企業も多い。そんな中、これからの未来を担う子どもたちは、地域発展の原動力であり、希望の光ともいえる。しかし、その子どもたちを取り巻く環境はどうだろう。いじめや不登校、ひきこもりの増加、虐待やヤングケアラーなど多くの社会課題が山積し、日本における子どもの貧困率は、OECD加盟国の中でも最低水準にある。何よりも大きな問題は、こうした混沌とする社会の中で、将来に夢や希望を描けない子どもが増えていることではないだろうか。
こうした問題は、家庭や学校だけで解決できるものではない。むしろ、これから地域を担う人材である子どもたちを支えるのは、今の地域をつくってきた企業の役割でもあるのではないか。そんな思いで立ち上がったのが、NPO法人 未来へのみちだ。非営利団体でありながら、熱い思いをもつ民間企業が集まるハイブリッド型のNPO法人。それは、社会課題解決と企業の成長を両立させるという、SDGs経営を体現しているともいえる。今回は、同じく未来を担っていく若手インタビュアーに加え、岩田良理事長と立ち上げから参加している船戸梨恵さんに、子どもたちに寄り添って新たな“未来へのみち”を歩み出した経緯やその思いを聞いた。

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子どもを取り巻く課題は1つじゃない。
トータルで支える環境づくりを。

田中:岩田理事長は、アース・クリエイトという会社を経営しながら、令和4年8月にNPO法人 未来へのみちを設立されています。どういった思いで、NPO法人を立ち上げようと思ったのでしょうか。

岩田:本業であるアース・クリエイトは、道路や駐車場の区画線や路面標示、道路規制標識など、交通安全に関わる工事を行っている会社です。しかし近年、通学路における交通事故がニュースでも度々取り上げられています。交通安全を生業とする立場として、こうした事故をどうやったら減らすことができるのか、事故が起こってから対処するのではなく、未然に防ぐために何ができるのかというテーマが、ずっと私の中にありました。そこで、まず事故の原因を知るために、2019年からボランティアで通学路調査を開始。その中で「道や交差点の危険度が分かる点数表のようなものができたら、分かりやすいのではないか」と思い、評価表を作成しました。ただ、一企業が自分たちでつくった評価表をもって道路管理者に提言しても、やはりなかなか改善策を実現するのは難しい。これをただのボランティアで終わらせないためにも、活動団体として事業化するべきじゃないかと思ったのが、最初のきっかけです。

田中:設立前から、すでに取り組みを始めていたということですね。しかし設立時は、通学路の安全に関する事業だけでなく、子どもに関わる幅広い社会課題に取り組む団体として立ち上げられています。そこにはどんな変化があったのでしょうか。

岩田:通学路調査を行う中で、行政の方々に話を聞いたり、船戸さんをはじめ、この団体に加盟していただいている企業の方々と話したりしていると、子どもの周りには通学路だけでなく、さまざまな社会課題が付随して起こっていることが見えてきました。私も自社内で子育て世代の女性活躍に取り組んでいますが、親世代の課題も子どもたちに直結しているということも同じタイミングで実感し、「子どもから大人まで、社会課題は全部つながっている」と確信しました。この連続した課題を入口から出口までサポートし続けていく環境をつくっていくことが必要だという思いが、今の活動に至っています。

田中:一般的なNPO法人と違い、地域の企業を巻き込んだNPO法人をつくろうと思われたのはなぜでしょうか。

岩田:地域の課題を出口まで解決しようと思ったら、地元企業のサポートは必須だと思います。企業にとっても、未来を担う人財がいなければ存続できませんから、個々の枠を超えて企業が地域の子どもたちを育てていくことは、必ず企業の成長につながります。だから、企業が本当に覚悟を決めて、地域の子どもたちと一緒になって地元を良くしていこうと行動すれば、結果的に日本全体もよくなるといういいサイクルになるのではないかと思います。現在は、その思いに賛同してくださった企業はもちろん、学校の校長先生をされていた方なども参加していただいて、本当の意味でのハイブリッド型のNPO法人になっています。

田中:なかなかこうした団体は見かけないですよね。

岩田:はい。ハイブリッド型という点もそうですが、NPO法人はある一定の社会課題をターゲットにされている団体が多いそうで、最初に「子どもからはじまるすべての社会課題を解決する団体をつくります」と届出を出した際には、こんな団体は例がないと言われてしまいました。課題を絞ればスムーズに立ち上げられたのかもしませんが、どうしても絞ることができず、設立には2年近くかかってしまいました。たとえば、子どもの不登校も本人や学校だけの問題じゃなく、家庭にも課題があるかもしれませんし、貧困問題に関しても、親御さんの立場から見ると、働く企業側にも課題があるかもしれません。1つの課題を解決しても、本質の解決にはならないのではないかという思いを強く感じていたので、そこは譲れませんでした。

田中:初志貫徹したわけですね。しかし、2年もかけて設立し、それぞれに核となる思いをもつ企業を1つにまとめていくということは、簡単なことではないと思います。特に企業となると、やはり利益・収益に結び付くことも重要なポイントになりますが、その点はどうお考えですか?

岩田:よく「こうした活動は、経済的に余裕のある企業しかできない」という声も聞きますが、私は反対だと思っています。そもそも人口が減るということは、企業経営にとって危機的状況です。特に私の会社に至っては建設業で、若い世代に選ばれる業種かどうかという面でも大きな課題があります。子どもの数が増えないのであれば、今いる子どもたちをどう輝かせるかを考えることが大切。その点、子どもたちに学校教育だけでは経験できないことを、企業が提供することに意味があります。
私も子どもがいますが、将来やりたいこと、なりたい職業の幅が昔より狭くなっているように感じています。いろいろな経験をすることで、子どもたちが夢をもつことができ、そんな夢をもった子どもたちが、成長して地元企業に就職してくれたら、その企業にも必ずプラスになります。だから、大人ももっと子どもたちと交流すべきだと思うし、そのハイブリッドも未来に大きく可能性を広げるはずだと思っています。

田中:私も、過疎化が進んでいる地域のまちづくりをお手伝いしているのですが、やはり大人の視点とはまったく違う子どもたちの視点を入れていくことは、とても重要だと思います。だからこそ、大人の議論の輪に子どもの意見をどんどん取り入れていくべき。新しい社会を切り拓いていくのは、子どもたちだと感じます。船戸さんは、岩田さんの思いを聞いた時、どう感じましたか。

船戸:最初に「子どもたちからはじまるすべての課題にアプローチする」と聞いた時は、実に壮大だなと思いました。でも、私も本業のコピーライターとして、よく中小企業さんへ取材に伺いますが、人材確保には皆さん危機感を抱いていて、今の利益にならなくても、次世代を育成しなければ、自分たちも持続できないということは、気づいていらっしゃる。そういう意味では、すごく壮大なことに見えて非常にリアルな問題だと思います。地元企業の皆さんが地域の子どもたちを育みながら、「地元ってこんなにいいよ、こんな企業があるよ」と伝えることは、子どもたち・企業の双方にとっても重要なことで、とても地に足がついた活動だと思っています。

田中:たしかに、私もSDGsを子どもたちに伝える活動の中で、子どもたちもそうした情報や経験を求めていると感じます。私たちは教育者ではないけれども、本当にリアリティーのある、社会に出てから通用するような学習が提供できる。座学だけでは分からないリアリティーを子どもたちが自分の目や耳で確かめることが、求められていると思います。

野々田:私も子どもから大人になってからまだ間もないくらいなので、よく分かります。今は東京で働いていますが、小さい頃に金華山を登ったり、鵜飼を見たりという体験は、すべてが自分の糧になる学習だったなと感じます。東京に行ってからも、やっぱり心のどこかに「岐阜が好き」という思いがあって、縁があってまた岐阜の企業で働かせてもらう機会をいただいたのですが、その思いの根本には子どもの頃の体験が大きな影響を与えていると思います。

田中:私は、やはり何をやるかということの前に、ビジョンが大切だと思っていて、使命感やミッションがしっかりしていれば、ニーズが合った時のタイミングでやるべきことが切り拓けると思っています。岩田さんにその熱い思いがあったからこそ、賛同者が集ったわけですね。

船戸:私自身、最初は1つずつ課題を解決していくしかないんじゃないかと思っていましたが、取り組みを始めてみると、すべての課題がつながっていることをリアルに実感できてきています。また、幅広い課題に取り組んでいるからなのか、活動を始めて1年目で、本当にいろいろな方面の方々から「こんなことはできるでしょうか」とお声がけをいただくようになって、今はどんな要望にも応えていこうと取り組んでいます。

岩田:田中さんがおっしゃったように、収益に結び付ける点ではまだまだ課題がありますが、今は目の前の課題解決に向けて、活動を1つ1つ積み重ねていくことが一番の近道だと思っています。


子どもにも大人にも生きる力に
つながる体験を提供したい。

田中:NPO法人を立ち上げて1年目にも関わらず、すでに数々の活動がスタートしていると聞きました。具体的に活動内容をお聞かせください。

岩田:先ほどは、子どもからはじまるすべての社会課題を解決したいと話しましたが、まず自分たちができることを模索した結果、最初の2年間は3つの事業を柱にしようと決めました。1つ目が、子どもに社会へ出るワクワク感を提供する活動を行う「子ども未来創造事業」、2つ目に、通学路の危険箇所を調査して数値的根拠に基づく指標づくりを行う「通学路安全指標事業」、そして、親世代が育児と仕事を両立して活躍できる社会づくりを目指す「男女共生事業」です。

船戸:最初に着手したのが、3つ目の「男女共生事業」として行った、子育て中のママを対象にしたCAD講座です。岐阜市が展開する子育て世代の女性に対するキャリアアップ事業で、デジタルスキルを習得する講座を提案したところ、ぜひ一緒にと言っていただいて、岐阜市立女子短期大学の協力も得ながら協働事業として実施しました。

田中:近年、デジタルスキルをもつ人材へのニーズは高まっています。それを子育て中の女性が担うことができるのはいいですね。

岩田:デジタル人材と聞くとハードルが高いように思われますが、実際、私たち中小企業が求めるデジタル人材は、そんなに高度な専門スキルを必要としているわけではありません。実際に体験してもらうことで、そんなに難しいことではないことを知ってもらい、選択肢の幅を広げてもらいたいと思いました。講座の最後には、当団体に加盟している企業の経営者に、どんな人材を求めているかなどを直接聞ける「就職相談会」や、実際にその企業での働き方を見てもらう「企業インターン」も行いました。やはり企業が主体の団体なので、最後は雇用もできるという出口をもっているのは大きな強みです。

田中:デジタル慣れしていないことで二の足を踏んでいる方も多いと思うので、触りだけでも知っていることは、再就職の大きなメリットになりますし、自信にもつながるはず。こうした機会を創出して雇用への道を拓くことは大切ですね。

岩田:大人も子どもと同じで、体験したことは生きる力につながります。パソコンを触った経験のない方からすると、パソコンを使う仕事に就くという選択肢がなくなってしまうでしょう。特に出産や結婚で一度離職した女性なら、建設業や製造業に就こうなんてなかなか思わないはずです。でも、やってみたら意外に向いている人もいて、受講者からは「もっと勉強したいと思いました」「選択肢が増えました」という嬉しい声もいただきました。

船戸:今まで出会ったことのない人から話を聞いたり、初めての経験をしたりする経験を子どもたちにもしてもらいたいと思い、2022年12月には1つ目の柱に据えた「子ども未来創造事業」として、岐阜市立厚見小学校の5年生を対象にした出前授業をさせてもらいました。当団体に加盟している企業の経営者や従業員が参加して、「何のために働いているの?」「稼いだお金は何に使っているの?」など、子どもたちから投げかけられる質問に答えるやり取りを通じて、夢を見つけるヒントを得てもらう授業です。

岩田:子どもたちは、家族以外に限られた大人としかふれあう機会がないと思います。そんな中、輝いている大人、楽しそうに仕事をしている大人に会って、「こういう人になりたいな」という思いを抱くと、大人になった時にも潜在的に「そういえば、あの時の人ってどんな仕事をしていたかな」と思い出すことができる。この体験がとても意味のあることだと思っていて、こうした授業は地道に続けていけたらいいなと思っています。

野々田:子どもの視野が確実に広がりますね。

船戸:私も子どもがいますが、今の子どもたちは昔よりも学校で「将来何になりたいか」を考える機会が多いように思います。でも子どもが知っている職業といえば、自分の親の職業か、医者や教師、警察など名前がついた職業に限られます。でも実際、大人のほとんどは会社員で、大人でも知らない職種もあったりしますよね。実際に岐阜にある仕事や会社を知ることは、とても大事なことだと思います。

田中:通学路安全指標事業は、NPO法人になってからどのように展開されていますか?

岩田:NPO法人になる前は、岐阜市内を中心に調査を行ってきましたが、各務原市と瑞穂市にも賛同を得て、各務原市は鵜沼第一小学校校区、瑞穂市は巣南中学校校区をモデル校として調査を進めています。巣南中学校については、学校内にある「ボランティア委員会」に参加する学生さんも調査に参加してもらい、実際に通学路を一緒に歩きながら、普段感じている危険な場所やヒヤリとした体験などをヒヤリングしました。また2023年2月には、この安全指標について幅広く意見を聞くため、交通安全や道路に関わる各務原警察署交通課や各務原市都市建設部道路課、教育委員会のほか、岐阜大学社会システム経営学環の髙木朗義教授と朝日大学法学部・大学院法学研究科の大野正博教授にも参加いただいて、「通学路安全指標作成に関する協議会」を各務原市で開催しました。

田中:発進してまだ1年経っていない時点で、かなり活動が広がっていますね。今後の展開がとても楽しみです。

子ども未来創造事業
厚見小学校出前授業の様子
通学路安全指標事業
通学路安全指標協議会の様子
男女共生事業
子育て中のママを対象にしたCAD講座

地域の課題解決に向けて
企業が協働する仕組みを全国へ

田中:私自身、日々感じていることですが、思いやビジョンをもって活動していても、「とてもいいことをされていますね」で終わってしまい、なかなか広がっていかないケースは多々あります。また、活動をしっかりと回していくためには、マネタイズも不可欠です。その点、私は資金力のある大企業と中小企業が、その枠を取っ払って融合することが必要じゃないかと感じているのですが、全国的に見てもそうした事例があまり見当たりません。そこをつなぎ合わせてオール岐阜で活動すれば、本当に化学反応が起きて、私たちが生まれ育ったまちが本当に発展すると思います。

岩田:そうですね。私もいろいろな方の意見が集まることで化学反応が起こって、この活動が大きくなればと願っています。資金については、やはり活動の実践・継続に欠かせないもの。しっかり事業化することが今後の課題でもあります

田中:これからNPO法人との協働は、企業にとって大きなキーワードの1つです。その点、こちらの団体は経営者の目線で始まっていることもあり、企業にとっても参加しやすい。私は自身の経験から、ビジョンと自分の思い、さらにそこに共感してくれるメンバーという3つが揃うと、お金にならないことを始めても、結果的にお金になることが多いと感じています。もちろんすべてが成功するわけではないですが、多くの人が集まって、しっかりと社会ニーズに応じていることであれば、資金化できてくると思います。

岩田:そうですね。社会課題解決を事業化することで、そこにまた人や企業が集まって、幸せを分かち合える仲間が増えるはずだと思います。今は通学路調査もボランティアで行っていますが、事業化できたら地元の親御さんたちが短時間で調査に従事することで、雇用も生まれると思いますし、それをDX化して日本中に広げることができれば、通学路上の事故がなくなるのはもちろん、車の自動運転化に向けて調査データが有効活用されるということもできるかもしれません。子どもたちへの活動についても、企業は今、自分たちの世代では想像し得ない思考をもつ次世代向けの商品開発に挑んでいるはず。その課題を引きこもりなどの課題を抱える子どもたちに投げかけて、その世代にしか出せないアイディアをもらったり、実際に雇用したり、ベンチャーとして事業化したりすることも可能です。ここに参画していただける企業さんが、そこにメリットを感じてもらえるなら、そうしたこともどんどんチャレンジしていきたいと思っています。この団体に携わることで、企業も子どもも夢や期待感をもてるようになることが、本当の出口への取り組みだと感じています

船戸:そのきっかけになりそうな事業も、昨年実施することができました。みんなの森ぎふメディアコスモスで、幼稚園や小学校低学年の子たちに、自分の夢を絵に描いてもらったんです。

岩田:その絵を見た時には、「こんなことをやりたいと思っている子がいるんだ」と感動しました。その夢をこのNPO法人で実現させてあげたら、その経験はすごいものになると思っています。たとえば1週間だけでも企業さんとのタイアップで商品をつくって、店舗を出してもおもしろいと思います。

野々田:自分の夢に近い体験ができるということですね。サッカー選手になりたいと思っている子が、プロチームの選手と触れ合ったり、教師になりたい子が自分の学校以外の先生と話す機会が持てたりすると、夢が現実に近づく気がします。意外にも、選手になりたかった子が、プロチームに行ってみたらコーチに興味をもったなど、違う視点も広がるかもしれませんね。

岩田:いいですね。多くの人が関わってくれると、そういうアイディアがどんどん出てきます。企業も、そういう声が社員さんから出てくる会社は、絶対に元気な会社になると思います。

田中:間違いないですね。ちなみに、岩田さんの原動力になっているのは、どんな思いでしょうか。

岩田:私自身、子どもの頃からやりたいことがたくさんあって、その1つがダンサーでした。その経験をいかして、今の若い子たちには「諦めなくてもいいよ」と言える場所をつくりたい。それができたら、もっと世の中はよくなるだろうと思います。その言葉を言うのは私じゃなくても構わないと思っていて、子どもたちに「自分の夢をかなえられる」と思ってもらえる場所として、この団体が残っていけば一番うれしいです。

田中:とても共感できます。私たちもSDGsの活動をしていますが、フロントランナーでいることなんてまったく考えていなくて、岐阜にいる素晴らしい活動をしている方々の思いをつなぐハブになることができればと思っています。

野々田:私も子どもの頃からずっとアナウンサーになりたいと思っていましたが、結果としてその夢が実現できていません。何がダメだったのかと振り返った時に、やっぱり視野が狭かったと感じています。それは、知識がなかったことも大きいと思うので、子どもたちに知識や体験を提供して、視野を広げてあげることはとても貴重な機会だと思います。

岩田:アナウンサーを目指していて、違う仕事をしている人の話も、アナウンサーになりたい子にはとても貴重ですよ。

野々田:なるほど。”なりたかった人”に聞くのもおもしろいですね。そういう意味では、一度岐阜を出てみて、岐阜の良さを何十倍、何百倍も感じるようになったという気持ちも、多くの人に知ってもらいたいです。

田中:さて、立ち上げからまだ1年ですが、これからこの団体をどんなカタチに成長させていきたいですか?

岩田:活動が日本中に広がっていければと思っています。まずはこの岐阜というエリアを実例にして、それぞれの地域で課題を解決できるメンバーが集まって、この団体をうまく活用していただけたら、地域の子どもたちも企業も、絶対によくなるだろうと思います。

船戸:そのためにも、まずは岐阜で成功事例をたくさんつくっていきたいですね。

田中:地域課題はそれぞれに山積していますから、1人でも多くの人たちが共感してくれたことが派生して、つながっていけばいいですね。私たちも協働できることがあれば、ぜひ一緒にやらせていただきたいと思います。

岩田:まだまだやりたいことばかりなので、ぜひお願いします。

幼稚園や小学校低学年の子たちが描いた未来の夢

TOPIC

  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
子どもの、そして自社の未来を創造する。
その思いに賛同する企業を募集中!
NPO法人 未来へのみちは、地域の企業が手を取り合って、地域の未来を切り拓く子ども(人財)を育むことを目指した、企業によるNPO法人として発足。子どもたちは、自分や自分が持つ強みを知ることで、自分を生かす道を見つけ、引いては未来を創造する自立した人財になる。企業はそうした子どもたちに地元で活躍する企業の姿や、そこでイキイキと働く人との出逢いを提供し、将来への希望を抱かせ、夢の実現を支える役割を果たすことで、企業とまちの未来を創造できると考えている。NPO法人 未来へのみちでは、この思いに賛同し、さまざまな社会課題を解決しながら、子どもたちの“未来へのみち”を継続的に支える企業会員やサポート企業を広く募っている。

Company PROFILE

企業名(団体名) NPO法人 未来へのみち
代表者名 理事長 岩田 良
所在地 〒500-8359
岐阜市六条北4丁目10-19
https://www.mirai-michi.com/

Re:touch Point!

地域のために、次世代のために。ムーブメントの可能性が見えた

Re:touch
エグゼクティブプロデューサー
田中 信康
私もSDGsの旗を振り始めた根底にあるものは、生まれ育ったまちであり、会社を大きく成長させてくれたまちでもある大垣市、そして岐阜をよくしていきたいという思いに他ならない。そしてそれは、社会課題解決を通じて未来世代に何かを残さなければならないという、最終ビジョンにつながっている。このRe:touchも、ただ思いのある企業や団体を取材して終わりではなく、つなげていくことにこだわっていくことが本質だ。 熱い思いを集めて、つないで、化学反応を起こす。そこは、NPO法人を立ち上げた岩田理事長の思いと一致する。自分と同じ思いを実践している団体がこの地域で新たに生まれたことは、願ってもないことだと喜びが湧き上がった。
しかも、岩田理事長の思いには、人を引き付ける類い稀ないパワーがある。企業を集めたハイブリッド型のNPO法人。この仕組みであれば、私が常々必要性を感じている”企業規模の枠を超えた協働”を実現できるのではないか。そんな期待を感じずにはいられない。これからこの団体には、さらに岐阜の企業の思いや力が集結し、これまでにないムーブメントを興してくれるだろう。岩田理事長やその思いに共感したメンバー、そして地域の子どもたちと共に、私たちもこの”未来へのみち”を歩んでいきたいと心から感じた。

今回、初めてRe:touchのインタビューに参加させていただきました。 岩田理事長の「社会を楽しく、良くしていきたい」という熱いパッションを目の当たりにして、本気の思いには同じ思いの方々が集まってくると肌で感じることができました。
これからも様々などえらい出逢いの中で、若者の視点からの質問・疑問などを投げかけさせていただきたいです。

Re:touch
アシスタントディレクター
野々田 美笛