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烏骨鶏の卵が捨てられるのを見て、
もったいないなって。
田中:烏骨鶏本舗を立ち上げられてどれくらいになりますか?
石原:この8月で16年になりました。
田中:石原さんのシンデレラストーリーというか、パートをやっていらっしゃったときに、烏骨鶏ビジネスを思いつかれたとお聞きしていますが?
石原:本当に普通の主婦だったんですよ。20年ぐらい前に、子どもの教育資金の足しにするために、パートとして働きはじめました。主人も、大阪に単身赴任しているサラリーマンです。
田中:ご主人もサラリーマンでいらっしゃって。
石原:サラリーマンって生涯年収も決まっていて、本当に雑草のように育てた息子たちですが(笑)
きちんとした教育を受けさせたいと思って。そのパート先は、健康食品と化粧品をやっている会社だったんですが、私が入社する1年半前に、健康食品の原料として烏骨鶏を仕入れていたところが倒産して、生き物なのでだれかが面倒を見なきゃいけないということで、もう格安で買い上げたていたんですね。
田中:烏骨鶏を飼っていた会社を買収されたと。
石原:当時、烏骨鶏が3万羽いたんですが、養鶏業をやったことがなくて、まったくのド素人だったんです。だから、毎日産まれてくる卵を捨てていました。
田中:あら、もったいない。
石原:お取引先や社員に配っていたんですが、それだけではとても消化できなくて。そのころ、烏骨鶏の卵って1個500円で売っていたんですよ。私の時給が750円で、主婦としてはめちゃくちゃもったいないなと思って、食品に加工して販売したらどうかなって。私たち主婦って、1パック1,000円するお肉って買うのを躊躇するのに、1ホール1,000円のチーズケーキって迷わずに買っちゃうんですね。それで、スイーツに加工して販売したらどうかって考えました。
田中:女性ならではの金銭感覚ですね。
石原:それで、地域の老舗和菓子屋さんに相談したら、工場長さんが烏骨鶏の卵って珍しいんで、カステラを焼いてみたいって。半年ぐらいかけて、いろんなパターン、いろんな味の試作品を作ってもらって、今のカステラになりました。最初のパッケージは、私がデザインしたんですよ。
田中:パッケージのデザインは、今も変わっていないんですね。
石原:そうなんですよ。結局、その会社に3年半いたんですが、やっぱり健康食品と化粧品をやっていきたいっていうことで、カステラをどれだけ売っても喜んでもらえなかったんですね。それで、ここにいても日の目を見ないなって。お給料も時給ではなくて固定給に営業の歩合がつくようになっていて、社長の給料と並ぶくらいだったんですよ。それを、子どもたちの学費や仕送りにして、残りは全部貯金していて。
田中:すごい営業成績だ。
石原:それで、会社を起こそうということになって。パッケージの在庫やデザインは買い取らせてもらって、うちで使う烏骨鶏の卵はすべてその会社から買います。その代わりに、お互いの商売の邪魔をしない、類似品は作らないということで、退職金をもらわずに円満退社しました。
たぶん自分のためだったら、
がんばれなかったと。
田中:だから、パッケージのデザインをそのまま使えるんですね。
石原:これが烏骨鶏本舗のスタートで、5人のスタッフで始めました。この仕事がおもしろいとどこにも行かずに、ずっと私を支えてくれているスタッフもいます。このパッケージを高速道路のサービスエリアのゴールデンゾーンに置いていただいていて、西は京都の桂川パーキングエリアから東は海老名サービスエリアのほとんどのパーキングエリア、サービスエリアで販売していただきました。
田中:それから、商標登録のトラブルに巻き込まれたり、フランチャイズをクロージングされたりと、紆余曲折があって。
石原:本当に壮絶でしたね。やっぱりスタッフを抱えちゃって、あとは、子どもたちもきちんと卒業させたい。がんばらなきゃと思わせてくれる存在があったことが、大きかったですね。
田中:肝っ玉母さんですね。
石原:自分だけのためだったら、ずっとビデオオンデマンドを見てたかも(笑)。
烏骨鶏本舗を始めちゃったんで、お取り引きさせていただいている会社にも、ご迷惑をかけられないですし。
田中:とても責任感が強い女性なんですね。
石原:今、うちの烏骨鶏は大垣市の上石津で飼育してもらっているんですよ。地元の金融機関に紹介してもらって、1,000羽ぐらいいます。それだけでは賄えないので、全国の烏骨鶏をやってる会社、5社から仕入れていて。まず、うちの養鶏場の卵を使って、足らない分は契約している養鶏場から取り寄せているので、まったく卵のロスもありません。
田中:すばらしい。
石原:烏骨鶏の卵ってものすごく栄養価が高いんですよ。平賀源内が土用の丑のブームをつくったそうですが、烏骨鶏の卵はビタミンAがウナギの10倍あって、夏ばて防止とかにも効果があるといわれています。
田中:平賀源内はエレキテルの発明で有名ですが、日本初のコピーライターでもあるんでよ。
石原:本当は、烏骨鶏の卵を加工品ではなく、そのまま売りたいんですね。ご存じのように、卵って消費期限が短いんですよ。烏骨鶏の卵の栄養を損ねずお届けするには、常温で保存できるようにしたいと、「烏骨鶏ゴールデンエッグ」を作りました。薫製卵にしてあるので卵の栄養はそのままで、金のコーティングをすることで真空にしていますので、常温で90日間保存することができます。
田中:常温で90日間なんですね。
田中:ちなみに、上石津の養鶏場にいる1,000羽の烏骨鶏は、毎日どのくらいの卵を産むんですか?
石原:1,000羽いても、150個ぐらいですね。
田中:とても貴重な卵なんですね。
石原:そのなかには、つつかれて穴が開いていたり、クラックが入っていたりして、売れないものがあるんですが。それらは、お麩の食品メーカーさんのお料理教室で使ってもらっていますよ。
田中:烏骨鶏の卵を提供されているんですか?
石原:はい。お麩ってすごくお手軽な食材なんですが、お麩を入れることでオムレツとかフワフワになるんですね。卵料理ととても相性がいいので活用していただいています。
お金がないとあきらめないで、
お金がないことを武器にする。
田中:石原さんって、そういうことをどこで学ばれたんですか?
石原:どこでも教えてもらっていないですよ。主婦をやってると、いろいろと思いつくんですよ。
田中:主婦が考えたアイデア商品って多いですもんね。
石原:保険証のカバーも有名でしょう。あれで、何億円も稼いだそうですよ。
田中:烏骨鶏本舗さんも、年商が数億円になったことがあったのでは?
石原:フランチャイズとサービスエリアがピークのときでしたね。
田中:それから、フランチャイズをクロージングされて、烏骨鶏のビジネスそのものを見直されて。
石原:そのときにつくった企業理念が、「極鳥福運」です。
田中:烏骨鶏のすばらしさを極めて、お客さまや協力会社、社員、家族のすべてに、幸福を運ぶということですね。
石原:本当に大切なのって、お客さまはもちろんですが、ビジネスパートナーなんですね。熱い窯の前で汗してカステラを焼いてくださっている方とか、寒いときも暑いときも早起きして、烏骨鶏に餌をやったり卵を洗ったりしてくださる方にいつも感謝しています。
田中:最近、会社の存在意義って何だろうって、企業理念を見直す大企業も増えているんですよ。
石原:社員も同じ気持ちでいてほしいというのがあって。例えば、商品を包装していて、ビリッて破れちゃったけど、隠れるところだからいいかって。それって、極烏福運なの?って。運送会社さんに横柄な態度をして、それって極烏福運じゃないよね。
田中:なるほど。
石原:社員の一人ひとりに極烏福運が根づいていけば、いろんな角度の関係性がよくなってくるんじゃないかなと思います。
田中:まさに、貴社が立ち返るところというか。
石原:そうですね。
田中:すごく大事なことだと思います。これをシンプルに掲げられる会社がやっぱり強いことを、私はたくさん見てきていますし、それは会社の規模の大小じゃないんですね。
石原:本当にもっとがんばらないと。まず、社員を幸せにしたいですね。ずっと着いてきてくれている社員を。
田中:それにしても、商品のラインナップが50種類以上とすごいですね。
石原:でも、あまり負担じゃないんですね。
田中:というのは?
石原:受注してから焼いてもらってるし、パッケージの在庫なんかも負担にならないように作っています。
田中:それってノウハウじゃないですか?
石原:ノウハウといえばノウハウですが、本当はお金がないので。
田中:そういうところが、主婦目線ですね。
石原:要らないものは買わないという主義だったので。だから、本当に2番目、3番目と商品を作っていくときも、この型を生かして、この箱を生かして、もうそこからでした。本当はお金がないからですが、お金がないとあきらめるんじゃなくて、お金がないことが武器なんだという発想です。
田中:もったいないことは嫌だと。それって、烏骨鶏本舗さんの原点ですよね。烏骨鶏の卵を捨てるのがもったいないと起業されたわけですから。
石原:そうです。だから、烏骨鶏も増やさないです。1,000羽なら1,000羽で、足らないときは、よその会社に助けてもらおうと。
田中:3万羽から始まって、1,000羽ぐらいが採算ベースだと。
石原:だって、売れても売れなくても、餌は毎日食べるんですよ。
田中:そうですよね。
石原:また、烏骨鶏も2年ぐらいで入れ替えていかなきゃいけないんです。
田中:ずいぶん早いんですね。
石原:卵を産めなくなった烏骨鶏も、醤油のだしになっているんですよ。岐阜の醤油メーカーさんで、たまごかけごはん専用の醤油を作ってもらっていて、このなかには烏骨鶏の濃縮スープは入っています。
石原:引退してもらう烏骨鶏もきちんと活用しています。大垣の総菜メーカーさんには、だし巻きたまご用の液卵やスープを買っていただいていて。その総菜メーカーさんでは、最近、おそば屋さんを始められていますので、おそばやお味噌汁のだし汁に使っていただいたりしています。
田中:何が一番売れているんですか?
石原:カステラやバウムクーヘンがうちの柱の商品なんですが、一番売れているのはやっぱり「烏骨鶏ゴールデンエッグ」ですね。
田中:これですね。
石原:3カ月待ちぐらいです。
田中:えー!
石原:グルメサイトでも取り扱っていただいていて、そこの「接待の手土産」で特選に選んでいただいています。
田中:そうなんですね。
石原:会社なんかでお取引先に持参する手土産として。
田中:私も食べたことがあります。
石原:烏骨鶏は、健康、長寿、繁栄の象徴なんですね。洞爺湖サミットでは、世界の首脳も烏骨鶏の卵を食べましたよ。
田中:製造元として、需給バランスを上げるための投資とかは考えていないんですか?
石原:今のところないですが、大量生産できるものについては、協力会社さんにお願いしています。例えば、香港とかへの輸出もあるんですが、そういうものは大量生産できるものを提案するようにしています。
田中:1,000羽で足らない場合は、5つの養鶏場から仕入れるんでしたね。
石原:テレビの通販番組からは、伊達巻きたまごを3万本ご注文いただいていて。たぶんうちの会社が、国内では烏骨鶏の卵を一番集められるのではと自負があります。上石津には1,000羽しかないんですが、養鶏場さんとは親戚のようにお付き合いさせていただいていて、こうした時に助けてもらっているんですよ。
烏骨鶏の卵のパワーを、
健康や美容に役立てて。
田中:石原さんとしては、烏骨鶏本舗をこれからどうしていきたいと?
石原:美食薬膳の宝庫といわれる烏骨鶏の卵を、健康や美容に役立てていきたいと思っています。
田中:育毛シャンプーとか育毛トニックの商品化を計画されているとか。
石原:卵には、頭皮を保護してくれる機能性成分があることが知られています。じゃあ、烏骨鶏の卵ではどうなの?ということでスタートしました。
田中:食品とは違う分野へビジネスの幅を広げていこうと。
石原:それがメインビジネスになってほしいですね。烏骨鶏本舗の第2ステージを任せたいと考えている北野真堂からお話しさせていただきますね。
田中:すごい。そういうこともちゃんと準備されているんですね。
石原:新しい烏骨鶏本舗をデザインしていってもらわないといけないので。
北野:ただ、デザインするのは石原なので。ブランディングもすべて。
田中:それを流行りの言葉でいうと、トランスフォーメーションになるんですが、「X」と省略していしています。デジタルトランスフォーメーションのDXもそうですが、Xっていうのは変わるとか変革するという意味合いがあるんですね。結局、基幹ビジネスの調子がいいとき、体力があるうちにそれをやっていかないと、なかなかできるものではないんですよ。
石原:うちでは、コロナ禍の逆風を追い風にすることができました。
田中:そうなんですね。
石原:コロナ禍で外食できないから、おうちでちょっといいものを食べたいよねっていうことで、烏骨鶏の卵のサブスクリプションを始めたんですね。先着50人にしたら、もう瞬時に売り切れて。
北野:1時間かからなかったですよ。
田中:本当ですか?
石原:はい。1年間のサブスクが終わって、リピートで契約してくださる方もいらっしゃいます。
北野:これも、石原のアイデアです。
田中:北野さんは、石原さんのお子さんぐらいのご年齢ですか?
石原:息子と変わらないですよ。うちのお取引先で働いていたんですが、うちの商品を取り扱っていたんで、私より知識があって。
北野:烏骨鶏本舗に入社して4年です。
田中:育毛シャンプーと育毛トニックの前にもう1つだけお聞きしたいのは、名古屋に商圏を広げようとされていましたが、今はどういう状況になっていますか? それと、中国へのグローバル展開についても。
石原:本当は、東京にバーンって出ていきたかったんですが、まずは名古屋で試してみてからと。でも、名古屋もとってもシビアでしたね。
田中:そうなんですね。
石原:北名古屋と錦と一宮でそれぞれ1店舗、浜松に2店舗ありました。順調に売上を上げている時期もありましたが、本当に厳しい商圏でしたのですべてクロージングしています。
田中:それは大変でしたね。
石原:海外についても、正直コロナで失速しています。香港のショッピングセンターさんでやっていただいたときは、もう本当にこの部屋一面ぐらい烏骨鶏コーナーみたいにすごく盛大にやってもらっていましたよ。
田中:じゃあ、クロージングしてるわけではないですが、コロナ禍で様子を見ているというところですね。
石原:そうですね。
北野:ただ、ジャパンブランドはすごく通用するので、タイミングを待っている状態ですね。
田中:コロナ禍が終わればってところですね。
北野:でも、うちのパッケージは売り場が華やかになるって、海外でも評価してもらっていましたよ。
田中:確かに。で、これも社長のデザインですよね。
石原:パッケージ屋さんがデザインしてくれたものでもダメだししますので。
田中:石原さんは反骨心がありますね。
石原:そうですね。負けず嫌いですね。
烏骨鶏の卵から抽出した
「烏骨鶏ピュアコリン」。
田中:それでは、育毛シャンプーと育毛トニックのお話をお願いします。
北野:経済産業省がやっている事業再構築補助金のおかげで、育毛シャンプーと育毛トニックの商品化にチャレンジすることができました。これに提出した事業計画書も、石原と私で相談して作ったんですよ。
石原:私はあんなことやりたいな、こんなことやりたいなっていうだけで、それをカチャカチャってやるのが北野なんです。
北野:烏骨鶏の卵の黄身にはすばらしい機能性成分が詰まってるんですね。レシチンのほかにもコリンが豊富で、そういった機能性成分を「烏骨鶏ピュアコリン」(UPC)とブランディングして、育毛シャンプーや育毛トニックの商品化を進めています。
田中:純度が高そうなイメージですね。
北野:育毛シャンプーと育毛トニックのネーミングも決まっていて、「IKESIK」(イクシック)といいます。
石原:で、アルファベットを反対から読むと、「キセキ」になります。
田中:キセキ。すごいな。いろいろと考えますね。
北野:アイデア会議はもう毎日みたいな感じで。
石原:パートさんからすべて巻き込んで、ちょっと30分時間ちょうだいって、もう好きなことを発言してもらうんですよ。
田中:いつ発売されるんですか?
石原:2022年9月の予定です。
北野:これまでにない機能性成分を含んだ育毛シャンプーと育毛トニックになります。
石原:育毛シャンプーでは頭をシャンプーしてお湯で流さずに、泡をそのまま5分ぐらい放置しておきます。このシャンプーは、顔や全身も洗えるんですよ。
田中:へえー。
石原:だから、頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛にもいいんです。医薬部外品を取得できる予定です。
田中:ビタミンAはウナギの10倍、マグネシウムはスッポンの4倍なんですね。
石原:だから、ウナギに負けてはいられないと、7月21日を「烏骨鶏の日」に登録してもらいました。
田中:登録してもらったってどういうことですか?
石原:烏骨鶏を一緒にやっていただいている4社で、日本記念日協会に登録申請をしました。
田中:そうなんですね。
石原:で、烏骨鶏の種の保存をしてくために、「日本烏骨鶏協会」っていう協会も立ち上げて。
田中:そんなものまで立ち上げられて。
石原:たぶん4人家族だったら、お父さんのシャンプー、トリートメント、ボディソープ、トニック、お母さんのシャンプー、トリートメント、ボディソープ、クレンジングとか、子ども用とかで、お風呂とか洗面所とかいっぱいになっていると思います。
田中:それが、イクシックになると。
石原:不要な容器を作らなくてもいいので、SDGsにも貢献することになります。
田中:ボーダーレス、ジェンダーレス、エイジレスな育毛シャンプーだ。
石原:烏骨鶏ピュアコリンは、化粧品などの機能性成分としても販売しますよ。
育毛シャンプーを商品化、
ECサイトから発売予定。
田中:イクシックはどこで買えるんですか?
石原:ECサイトを想定しています。
北野:ECサイトで公開すれば売れるというものではないので、どれだけイクシックの魅力を発信できるか、機能性成分として烏骨鶏ピュアコリンのエビデンスも重要だと思いますし、いまだに試行錯誤をしています。石原が厳しいんですよ。石原が納得するものでないと売れないんですね。
田中:こうした烏骨鶏ピュアコリンのビジネス展開が、もうすでにSDGsということができるんですねよ。結局、本業をちゃんと生かしていかなければ、やっぱりサステナビリティではないんで。
北野:ゆくゆくは雇用も増やしていけるにしたいですね。
田中:いや、すごいです。さっきお話したトランスフォームじゃないですが、健康や美容がメインビジネスにしていくっていうような時代でもありますから。
石原:そういうことですね。
北野:石原が本当によくいうのが、会社はなくなるものって。次々と手を変えていかないと飽きられちゃうんで、非常にサイクルは早いと。なぜかそういった嗅覚がすごいんで。
石原:ここまで私がなんとかやってこられたのは、ビジネスパートナーさんに恵まれたからなんです。ああ、私、この人と一緒にお仕事やりたいと思ったら、もう本当にまっしぐらになります。
田中:でも、そうやってビジネスチームをつくられていって。
北野:そうですね。
石原:北野とは香港にも一緒に行って、展示会なんかもすべて車で行くんですよ。山口県まで車で行ったことがあります。
北野:もう延々と、車のなかで営業会議ですよ。
田中:本当に大変でしたね。
石原:楽しかったの。がむしゃら。無我夢中のときって、意外に辛くないですね。
田中:すごく共感できます。私にも経験がありますから。
烏骨鶏を、ウナギを超える
存在にしていきたい。
石原:大垣って、本当に魅力的な人がいっぱいいますね。
田中:大垣はポテンシャルがすごく高いので、そういった人材がうまくつながっていけば、その起爆剤としてSDGsっていいなと思って、私たちは情熱を傾けているんですね。
石原:また、女性って能力が高いと思うんですよ。
田中:そうそう。そうなんですよ。女性活躍どころでの話ではないんです。
経営者のなかには大垣の女性たちは奥ゆかしくて、昇進もなかなか受けてくれないとかいわれるんですが、まったく違って。
石原:立場を与えちゃえばやりきりますよ。
田中:そうですよね。最後に、これからの課題と考えていらっしゃることはありますか?
石原:私は烏骨鶏で始まって、どこまで行っても烏骨鶏なので、やっぱり烏骨鶏の認知度をもっともっと上げてかないと。1942年(昭和17年)に、国の天然記念物にしてもらっているんですよ。
田中:そうですよね。
石原:烏骨鶏は中国から渡ってきた鳥かもしれないですが、もう日本を象徴するような鳥なので、ウナギを超えるような、食べるとパワーが出るよっていう販売の仕方を、私たちがつくっていかなきゃいけないなって思っています。それが一番の課題ですね。
田中:烏骨鶏は本当に強みになりますもんね。
石原:私、名前で呼んでもらえませんもん。烏骨鶏さんて。
田中:それも立派なブランディングですよね。とってもパワーのある想像した以上の方でしたし、すばらしい参謀もいらっしゃいますし。
石原:迷いながら来たので。いろんな人を巻き込んでやってきて、本当に1つも無駄なご縁はなかったですし、1つも無駄な失敗はなかったと思います。
田中:今日は、ありがとうございました。
TOPIC
育毛シャンプーの商品化を進める。
2022年9月には、育毛シャンプーと育毛トニックを医薬部外品として商品化する予定で、頭皮を保護してくれる効果が期待できる。また、このシャンプーは顔や全身を洗うことができるため、眉毛やまつ毛の生え際にもやさしく作用してくれる。育毛シャンプーと育毛トニックは特設のECサイトから販売される。
Company PROFILE
企業名(団体名) | 株式会社烏骨鶏本舗 |
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代表者名 | 代表取締役 石原 千照 |
所在地 | 〒503-0905 岐阜県大垣市宮町2-39 |