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育児ストレスで苦しんでいる時に、
バランスボールのことを知った。
田中:バランスボールを始められたきっかけからお話ください。
神:私は、結婚して大垣市に来ましたが、7歳になる長女を出産してから、産後鬱のような状態になってしまったんですね。これではいけないと、外の方とコミュニケーションをとろうと、いろいろと試しました。ママブラスバンドでフルートを吹いたり、ヨガ教室に通ったりもしました。そのなかの1つがバランスボールです。弾んでいるだけでも笑顔になれることに感動し、2回目のレッスンを受けた後に、インストラクターになるにはどうしたらいいですか?って聞いたくらいです。それが7年前で、長男を産んだ5年前に、バランスボールのインストラクターとして活動を始めました。
田中:バランスボールに魅了されたのですね。
神:私の育児ストレスで、家庭が崩壊してしまうのではと心配していたころで、バランスボールの産後トータルケアのクラスがあった岐南町まで通っていました。インストラクターになったのは、きっと、私と同じような悩みを抱えている女性がいるだろうと、バランスボールを大垣市で広めたいと思ったのがきっかけですね。
田中:それで、フェライズを立ち上げられて、バランスボールトレーニングCana park(カナパーク)の運営に至ったのですね。
神:最初は、個人事業主でした。家族からも大反対されましたが、1年間の猶予をもらえたので、とにかくがむしゃらにやって、やっと認めてもらいました。
田中:すごいパワーですね。
神: 3年前から、インストラクターを育成できるようになって、インストラクターをどんどん増やしていきましたが、彼女たちにレッスンする機会を与えられなかったんですね。それがとても悔しくて、私がバランスボールのPRや会員募集をやって、彼女たちにレッスンをやってもらおうと、会社を設立することにしました。
田中:そういう役割分担をしようということですね。
神:自分が育てたインストラクターが困っている時に、アドバイスしかできないのがほんとに辛くて。みんな子どもを育てながらやっているんですね。だから、レッスンに集中できるようにしてあげたいと。私たちは、一般社団法人体力メンテナンス協会に所属しているんでが、岐阜県だけでも100人ぐらいのインストラクターがいるので、協会員に向けても何かできないかという想いがありました。
女性の社会進出っていうより、
がんばれる女性と一緒にやりたい。
田中:神さんがレッスンされている時、お子さんたちはどうしているんですか?
神:私が、子どもたちの夕ご飯を作って、そこから夫とバトンタッチします。こうした役割分担をしていけば、女性の社会進出にもつながると思います。
田中:神さんは、女性の社会進出について、どういうお考えをお持ちでしょうか?
神:私としては、女性も男性もないなって。男性がしっかり稼いで女性は家事をやりたいっていう方はもちろんいますし、逆に、男性でも家に入りたいっていう方もいるし。女性、男性というよりも、適材適所でいいんじゃないかと。女性も、男性も、自分が活躍できる場があればいいと思っているので、女性の社会進出っていうよりも、がんばれる女性は一緒にやりましょう!でいいじゃないかと。
田中:私も、本当にそうだと思っていて、女性の社会進出やジェンダーフリーとかいっている時点でもう時代遅れで、女性も、男性も、生きがいややりがいを感じてがんばれればいいことですよね。
神:女性も、女性だからとかじゃなくて、自分がやりたいことがあれば、まず、家族で相談する。自分は何をしていきたいのか、どうしていきたいのかプレゼンする。そうしないと相手は絶対にわかってくれないし、ただ、文句をいうだけじゃなくて、どれだけ熱い想いがあるかだと思います。
コロナ禍で、企業の社員の皆さんの
健康づくりに注力している。
田中:バランスボールの動画を見ましたが、ものすごくキレッキレッで、かっこいいなって思いました。あれは、男性にはできないですね。
神:男性の方が苦手ですね、バランスボールは。
田中:神さんのお話を聞いていると、バランスボールを教えながら、いろいろな相談に乗っているように感じますが?
神:個人事業主の時は、レッスンを週5日で1日4コマとかやっていたので、本当にバランスボールなのか、人生相談なのか、ストレス解消なのか、わからない状態でした。でも、それを求められているのがうれしくて、女性が心身ともに発散できるところがまだまだ少ない。少なくはないのかもしれませんが、みんなその情報をまだキャッチできていないんですね。やっと見つけてここに来たんです!っていってもらえて、これからどんどん情報発信していかなければと思っています。
田中:コロナ禍で、何か変わったところとかありますか?
神:今、大垣市と半田市でスタジオを運営していますが、次は、各務原市にオープンさせる予定です。心身ともに健康って本当に大切なことだし、お母さん世代が元気じゃないと子どもも元気になれないと思うんです。ただ、コロナ禍で、個人向けレッスンは減少傾向になっていて、今は、企業や団体などと連携を深めながら、社員の皆さんの健康づくりに力を入れています。
田中:企業では、どのようなかたちでやられているのですか?
神:企業さまとの打ち合わせになるんですが、今やらせていただいているのは、定時後に、1時間のリフレッシュタイムを作ってもらっています。
田中:具体的には、どんなレッスンになりますか?
神:バランスボールが中心ですが、筋トレや有酸素運動なども取り入れながら、ストレス発散、そして、コミュニケーションですね。サークル活動みたいに集まってもらい、ワイワイガヤガヤとおしゃべりしながらバランスボールで弾んで、コミュケーションできる場として活用してもらっています。
ストレスチェックと連動して、
バランスボールの効果を見える化する。
田中:職場のコミュニケーションって、意外に取れていないですからね。
神:そうですよね。コミュニケーションの場に加えて、メタボ予防とか鬱予防になればいいなって思っています。
田中:企業も、メンタルヘルスケアに力を入れているのですが、コロナ禍で在宅を強いられるようになって、いろいろなストレスが複雑に絡み合ってきているんですね。バランスボールのフレンドリーでフィジカルなトレーニングは、現代社会が抱えるこうした課題を解決してくれる何かがあるのかもしれませんね。
神:フェライズは、ストレスチェックシステムを運営している企業と提携させてもらっていて、ストレスチェックの結果から睡眠障害やストレスなどを抱えている方に、バランスボールからアプローチして改善が見られるか追跡することを始めています。バランスボールの費用対効果を見える化することで、経営者の方の安心感や社員の皆さんの満足度を上げていきたいですね。これができるのが、強みだと考えています。
田中:企業からの評価はどうですか?
神:まだまだ、これからですね。ただ、とても意識が高い企業さんが多くて、社員の皆さんのためにってご契約いただいているので、こちらもそれに見合う価値のあるものを提供しようと思っています。
バランスボールで夫婦仲がよくなったなど、
生徒さんから聞いている。
田中:私も体験してみたいなあ。大垣市で始められたのは、何か意味があるんですか?
神:私が実際に住んでいるところなので、自分のまちをよくしたいという想いだけです。以前の私のように困っているお母さんたちに向けて、何かやりたいなっていうのがあったので。
田中:私たちが、Re:touchをやらせていただいているのも、自分が住んでいるところをもっとよくしたいっていう想いからなんです。こうした取材でお会いする方は、みなさん魅力的で、しかも地域への強い愛着をお持ちなんですよ。
神:そうなんですね。
田中:生徒さんからは、どんな声が聞こえてきますか?
神:産後ケアのレッスンでは、夫婦仲がよくなったとか、家庭が明るくなったとか、子どもにイライラすることがなくなったとか。カナパークはくびれ専門でやっているので、またちょっと違うんですが、産後ケアのレッスンを復活する予定でいます。
田中:ご自身が辛い経験をされていたことに、生徒さんも共感されるんじゃないですか?
神:華奈さんは恵まれているんでしょう!って思われがちですが、私が経験したことをお話すると、そんな過去があったんだねっていってもらえます。
田中:「人間」って、自分の弱いところを見せないと、みんな共感してくれないんですね。私もSDGsを子どもたちに教えることがあるんですが、これまでに失敗ばかりしているんだよ。でも、失敗もした方がいいよって話しています。(笑)
神:バランスボールをするだけじゃなくて、ここに来て本当によかった。レッスンを受けて痩せるのはもちろんですが、心が軽くなったとか、それなら新たな挑戦を始めてみよう!という女性が増えてくれればと思います。
田中:これからのビジョンというか、この先どうしたいとかありますか?
神:人生100年時代っていわれるなかで、寝たきりの時間を、どれだけ減らせるかだと思うんですね。日本人は、病気になったから、何かやらなきゃっていう方が多いんですが、それじゃ遅くって。90歳になった時に自分はどう生きていたいか、ベッドで医療機器につながれてたいのか、90歳でも海外旅行に行って楽しんでいたいのか。そのためには、こんなことをしておきましょう!っていうのを、今はまだ大垣市や岐阜市が中心なんですが、日本全国に発信していけれたらいいですね。
田中:予防医学の考え方ですね。
神:私はバランスボールしか教えられない人間なので、いろいろな方たちの力を借りながら、たくさんの方たちに健康で楽しい人生を送ってもらいたい。そういった輪をどんどん広げていけたらと思います。
市長さんや議員さんと橋渡しをして、
岐阜市を住みやすいところにしたい。
田中:最近、「正縁会」というのを立ち上げられたとか?
神: 2年前に法人の設立をめざしていたころ、岐阜市の市長さんや議員さんとお話する機会がありまして。それまでは、まったく行政とか政治には関心がなかったんですが、皆さんすごく熱い想いを持っていらっしゃるんですね。きっと、お母さん世代には私と同じ感覚の方が多いんだろうと思って、市長さんや議員さんとお母さんの橋渡しをして、岐阜市をもっと住みよくしたい。岐阜市で暮らしたいと思ってもらえる方を増やしたいと、今年の4月に立ち上げました。
田中:どうして大垣市ではないんですか?
神:たまたま岐阜市の市長さんとお会いして、本当にすばらしい方だと思ったんですね。子育てするお母さんたちに向けて、こういうことやってるんだよ!ってお聞きしたんですが、せっかくなら直接お話くださいって。
田中:神さんのこの想いには、たくさんの方が共感されると思いますよ。
神:言葉で発信しているだけでは響かないんじゃないかと思って、例えば、ごみ拾いと子どもたちが楽しめる何かを組み合わせたい。岐阜市なら、ごみ拾いと長良川の鵜飼もいいかなって。子どもたちに楽しんでもらいながら、お母さんたちをどんどん巻き込んでいきたいです。
田中:いいですね。
神:楽しみながらじゃないとみんな興味を持ってくれないので、楽しいイベントをどんどんやっていこうって思っています。
田中:神さんは、SDGsについてはまだこれからって感じですが、バランスボールを通じたフィットネスとか心のケアとかは、SDGsの考え方にものすごくフィットしているんですよ。バランスボールにSDGsを取り入れていただくと、仲間もたくさん集められて、この活用の仕方も広がってくるような気がしています。
神:SDGsって名前はもちろんもっと前から知っていたんですが、娘と図書館で本を借りて勉強しているところなんです。ただ、自分がSDGsだと思っていなかったものも、これにつながっているんだって感じている最中です。
田中:ありがとうございました。
TOPIC
仕事や育児のストレスも解消できる。
ワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながら、バランスボールで弾んでいるだけでトレーニングできるとあって、仕事や育児などでストレスを抱えている女性に人気です。企業や団体などの福利厚生、また、男性グループへのインストラクターの派遣も行っており、メンタルヘルスケアとして活用されることも多くなっています。
詳しくは、http://www.cana-park.com/price.html までお問い合わせください。
Company PROFILE
企業名(団体名) | 株式会社フェライズ |
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代表者名 | 代表取締役社長 神 華奈 |
所在地 | 〒500-8289 岐阜県岐阜市須賀3丁目1-22 |